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マッスルペイン(筋肉痛)とは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1980年代、アメリカのJanet G.TravellとDavid G.Simonsの共著である『 Myofascial Pain and Dysfunction : The Trigger Point Manual 』によって、“筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain and syndrome = MPS)”と、その原因としての“Trigger Point(トリガーポイント)”が紹介されました。

 

二人は、筋の中に触知できる“ taut band ”や“ nodule ”という性状の過緊張線維束(筋硬結)の中に、身体の限局した領域へ関連痛を生じる圧痛点を発見し、圧迫・伸張・冷却などの物理的刺激を受けることにより、身体に痛みや痺れ、自律神経症状や固有感覚障害などを引き起こすと報告し、その圧痛点をトリガーポイント(Trigger Point)と呼びました。

 

それから、数十年にわたり『 Myofascial Pain and Dysfunction : The Trigger Point Manual 』を参考に実践および照合を繰り返すことで、筋肉と筋膜を対象とした治療手技は発展し、その間、いくつかの研究によって筋膜性疼痛症候群(MPS)と手技療法についての生理学的理論が徐々に裏づけされてきました。

 

“痛み学”がサイエンスとしてようやく踏み込んだのは1960年代に入ってからのことです。

 

Edward R. Perlによるポリモーダール受容器の発見は“痛み学”を大きく前進させ、その後の熊澤孝朗先生によるポリモーダル受容器についての研究は、筋膜性疼痛症候群(MPS)と手技療法の効果の関係性について理論の軸となっています。

 

また、伊藤文雄先生による筋感覚の研究は、「筋肉の機能には効果器としてだけではなく感覚器としての役割がある」ということを広く認識させ、それまでの筋膜性疼痛症候群(MPS)についての多くの疑問点が解消されました。

 

そして、河上敬介先生の『骨格筋の形と触察法』は、我々が骨格筋の構造を理解し三次元的に捉えながら的確に治療していくための貴重なバイブルとなっている。触察技術が飛躍的に向上することによって、より客観的に治療技術と治療効果の関係性を評価できるようになったと思われます。

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