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マッスルセラピー(筋肉治療)とは?

 

 

 

 

 

 

 

 

運動器疾患として体幹や関節の痛みは勿論ですが、内科系疾患や不定愁訴においても、それら症状を訴える領域に対応した四肢や体幹、頭頚部の骨格筋群には明らかな筋の異常が認められます。

 

著明な現象としては筋過緊張と筋浮腫がみられ、その筋の中には過緊張となった筋線維束(筋硬結)とトリガーポイントが含まれます。

 

これら過緊張筋および筋硬結やトリガーポイントに対して圧迫や伸張などの適切な徒手刺激を入力し、筋緊張の緩和と筋浮腫の軽減、そして筋硬結・トリガーポイントの硬さや刺激に対する反応性の減少が得られた時点で、これら諸々の症候に改善がみられることがわかります。

 

その生理学的理論背景は、触圧覚刺激によるものではゲートコントロール説、交感神経活動の抑制、α運動ニューロン抑制などがあり、痛覚刺激によるものでは下行性疼痛抑制、広汎性侵害抑制調節などがあります。

 

特に、痛覚刺激によるポリモーダル受容器の興奮は、下行性疼痛抑制による全身的な痛みの抑制と、局所においては神経性炎症による組織の修復が促進され、これが“痛みの改善”と“筋組織の修復促進”というマッスルセラピーの基本的な治療原理となります。

 

また、治療手技による物理的な血液、リンパ液、組織液の流動は、筋緊張の緩和、浮腫の軽減、循環改善、γ運動ニューロンの抑制などの変化をもたらします。

 

マッスルセラピーの習得には、筋を触察する技術が重要ですから、触察と治療ルーティンを連動させた実技練習を繰り返し行い、それを継続することが上達の絶対条件となります。

 

筋触察能力が高くなるほど治療技術は向上しますが、実際は技術力だけでは治療効果に繋がりません。

治療効果を高めるためには、筋運動学的考察が必要となります。筋臨床運動学の知識が豊富なほど、治療の対象となる症状発現筋と関連筋の特定能力が高くなるからです。施術後の効果を問診と検査で検証することで、筋運動学的考察と治療技術のどちらに原因があるかが理解できると思います。

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